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この生活にも慣れ始めた俺にとって今日の授業は退屈なことこの上ない。
体育がなければ着替えでアタフタすることもないしな。
俺は手に持ったシャーペンをクルクル回しながら授業を話半分に聞いていた。
今頃、柚葉テスト頑張ってるかな…
まぁ、柚葉のことだし問題はないかな…
翠が言ってたゲーセンの女の子の話も気になるしな。
そんなことを考えながら、だらだらと授業をこなしていったのだった。
そして授業も終わり、部活に向かう
『じゃあ美紗、先に行ってるからね』
『うん。了解』
『頑張ってね』
美紗は親指をぐっとたて
『まかせてちょーだい』
と自慢気に胸を張った。
普段から勉強してれば美紗もそこそこ点数取れるんだけどな。
いかんせん部活人間だからしょうがないのかな。
『ほら、望月君も気合い入れなよ』
そう言ってもうすでに負け戦状態の謙一の背中をポンと叩いた。
『うぅ…。御剣、すまん。俺はお前の期待には答えられそうもない』
『あー、大丈夫。望月君には期待するだけ無駄なの知ってるから(俺が男の時からそうだし)』
『…ここ普通励ますとこじゃね?』
『励まして成績あがるならいくらでもやってあげるけどね。現実はそう甘くないのよ、望月君』
『御剣にトドメさされた…。正論だけどモチベ下がった…。』
『元からモチベなんてなかったじゃん』
『うぐ…』
『とりあえず教科書のこことここ。この公式頭に入れなよ。そうすればそこまで悪い点数とらないはずだから』
『あなたが神か!』
『何言ってんのよ、まったく。これは貸しだからね。じゃあ、頑張って』
そう謙一に少しアドバイスして俺は部室に向かった。
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