1379人が本棚に入れています
本棚に追加
『じゃあ解答言うぞ。問1はー』
答え合わせが始まった。
俺は美紗の答案を採点しているわけだが、ぶっちゃけひどい。
こりゃ、追試だな
『ー。以上、じゃあ点数計算して集めてください』
美紗は50点満点中の23点だった。
美紗に答案を返そうとすると、美紗がこちらをうらめしそうに見つめている。
『どしたの?美紗?』
『…嘘つき』
『は?』
『碧の嘘つき。やっぱり点数いいじゃん』
美紗に渡された答案を見ると48点だった。
『あはは、たまたま直前で見たとこが出ただけだよ』
『数学は暗記科目じゃないからそれはありえないもん。勉強したんでしょ?』
おいおい、お前もあんなに教科書見てたじゃねぇかよ。
『ホント、たまたまだよ』
『まぁ、碧は頭いいしね…。でもどうしよう。私絶対追試だぁ』
美紗はがっくりとうなだれた。
『ほら今回難しいって言ってたし。みんなも点数悪かったら平均点も下がるわけだから。えーと何が言いたいかと言うと、まだわからないってこと』
また俺はフォローになってないフォローをした気がする。
後ろから答案が集められる。
やっぱり難しかったようでみんな点数は芳しくなさそうだ。
『それじゃあ、平均点出すから静かに待つように』
松山が計算を始めた。
最初のコメントを投稿しよう!