♂第3話♀~知ってるようで未知なる世界~

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『じゃあ解答言うぞ。問1はー』 答え合わせが始まった。 俺は美紗の答案を採点しているわけだが、ぶっちゃけひどい。 こりゃ、追試だな 『ー。以上、じゃあ点数計算して集めてください』 美紗は50点満点中の23点だった。 美紗に答案を返そうとすると、美紗がこちらをうらめしそうに見つめている。 『どしたの?美紗?』 『…嘘つき』 『は?』 『碧の嘘つき。やっぱり点数いいじゃん』 美紗に渡された答案を見ると48点だった。 『あはは、たまたま直前で見たとこが出ただけだよ』 『数学は暗記科目じゃないからそれはありえないもん。勉強したんでしょ?』 おいおい、お前もあんなに教科書見てたじゃねぇかよ。 『ホント、たまたまだよ』 『まぁ、碧は頭いいしね…。でもどうしよう。私絶対追試だぁ』 美紗はがっくりとうなだれた。 『ほら今回難しいって言ってたし。みんなも点数悪かったら平均点も下がるわけだから。えーと何が言いたいかと言うと、まだわからないってこと』 また俺はフォローになってないフォローをした気がする。 後ろから答案が集められる。 やっぱり難しかったようでみんな点数は芳しくなさそうだ。 『それじゃあ、平均点出すから静かに待つように』 松山が計算を始めた。
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