1379人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
そんな俺の背後からゆっくり忍びよる影
『おっはよー、あおちゃん、みーちゃん♪』
その声と共に後ろから抱きつかれる。
『ハ、ハル。あっついのに抱きつくのやめて~』
ホント暑いし、中身は男だからドキドキしちまうんだよ
しかし相変わらずのハイテンションなハル。
『あれ?今日聖は一緒じゃないの?』
ハルを引き離しながら訪ねる。
『うん。今日はひじりん部室に用事あったから先にきたの。うーん、しかしあおちゃんは相変わらず柔らかい♪』
『だめだ…。聖こないとハルが制御できない…』
そんなやりとりを見て美紗は笑っている。
『みーちゃんは今日追試かぁ。ガンバだよ!』
俺に抱きついたまま美紗を励ますハル。
『ハルに励まされるのもなんだか複雑だけど頑張るよ』
美紗が笑いながら答える。
『もー、みーちゃん複雑ってどーいう意味?』
『そーいう意味だよ』
『むむむ…。あおちゃん、なんかいってやってよ~』
『うーん…。美紗に同感、かな』
『がーん。あおちゃんまでひどいよ~』
『はは。ごめんごめん。とりあえずあっついから離れなさい、ハル』
『やだ!あおちゃんにいじわるされたから離れない!』
『まったく…。そんなに抱きつきたいなら聖に抱きつけばいいじゃん』
『うーん…ひじりんはあんまり柔らかくないから抱き心地がよくない』
ごち~~~~ん
『悪かったわね。固くて』
『いたた…。ひじりんいつの間に?』
『今来たとこだよ』
『うぐぐ。おのれ、あおちゃん謀ったな!!』
『さぁ?なんのことやらさっぱり?』
『いいからこっちに来なさい』
聖に引き剥がされ、ハルは渋々俺から離れた。
あー、助かった。
やっぱり保護者の聖は偉大だ。
最初のコメントを投稿しよう!