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~ラウンド2、ファイト!~
…ドカッ!
……バキッ!!
………ピカーン!?
『You Win』
へへ、どんなもんだい。
見事2ラウンド目を圧勝で取り返した。
ふふふ、これが実力なのだ。
この調子で俺は残りの試合も圧勝。
後ろのギャラリーもざわつく。
『すげぇ!』
『今の見たかよ!?』
誉めるな、誉めるな。
これぐらい当然なんだから。
『あの女の子強いぞ。』
『女の子なのにすごい』
…
……
………はっ!
今の発言で思い出してしまった。
今は女だってことを。。
やばい、1人でゲーセンにいることすら怪しいのに格ゲーで圧勝してる女の子など聞いたことがない。
これはまずい。
そんなことを考えているうちに、また新たな乱入者がきた。
そうだ、この戦いでわざと負ければいいんだ。
そうすれば。。
『You Win』
あぁー。。
もったいなくて、わざと負けるなんてできない~。。
こうして俺は連勝の山を築き、ギャラリーの注目を独り占めする羽目になった。
しばらくやり続け30勝した辺りで集中力が切れてそのまま負けてしまった。
俺は席をゆっくり立ち上がると、そっとゲーセンを後にしようとした。
『ちょっと待って!!』
入り口付近で呼び止められた。
恐る恐る振り向くと、他校の制服をきた男子が1人立っていた。
『い、いきなりごめん。さっきの君のプレイを見てて…、あの、その女の子なのにすごいと思って…』
『はは、ありがとう』
そりゃあ、中身はバリバリやり込んでる男子だからねぇ。
『も、もしよかったらメールアドレスをお、教えてくれませんか?』
…
……
………へっ?
こ、これってまさかのナンパってやつ!?
ど、ど、どうしよう!?
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