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うぅ。。
どうしよー…
まさかこんな形でナンパされるとは思わなかった。
さっさと逃げちまうか…
でも放置したらかわいそうっちゃかわいそうだしな…
俺が同じ立場でナンパした女の子に逃げられたらショックだし…
何かうまい言い訳を…
…私、男なんです!
ないな。信じてもらえないだろうし。
あ!アイディアの神が降りてきた!
『え、えっとわ、私にKOMで勝てたらってのはどうかな?』
これだ!!我ながら会心の言い訳。
アドレスなんか教える気はない。
↓
けど直球で断るのもなんだかかわいそう。。
↓
そうだ、ゲームなら多分負けはない。
↓
そしてこの言い回しなら相手を傷つけない・・・はず。
我ながら完璧な計算。
『えっ!?』
『今日は用事あるから帰るけど。次に会った時に勝負して私に勝ったら教えてあげます。それじゃあ』
『え、ちょっと待っ…』
俺は笑顔で一瞥し、ゲーセンを後にした。
なんという完璧な女の子。
俺結構演技の素質があるんじゃないだろうか。
自画自賛しつつも、やっぱり反省。
『やっぱり目立つ行動は避けなきゃだめだよなぁ…』
まさかナンパなんて頭の片隅にすらなかったし。
本当女子って苦労するなぁ。。
というか、男の時より気を使う場面が多すぎる。
『あー。。早く男に戻って気楽にやりたいよ…』
俺は深いため息をつくと、自転車で家に向かって走り出した。
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