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あの様子だと母も俺が男だったという認識はなさそうだ。
俺はある仮説を立てた。
この世界は俺が男だった世界と並行した世界。
つまりパラレルワールド。
この世界での俺はどうやら女らしい。
で、何かの拍子で俺はこっちの世界のもう一人の俺と入れ替わってしまった。
…ありえねぇ。
でも今の現実はそう考えるしかない。
『これからどうしよう。。元に戻れるのかな』
俺は深くため息をつくと、ベッドに座りこんみ、しばらく考え込んだ。
『……やるしかねえよなぇ』
とにかく今はこの状態で生活しながら元に戻る方法を捜すんだ。
俺はそう決意し、立ち上がった。
コンコン…
ドアをノックする音が聞こえる。
『お姉ちゃん?入るよ?』
翠がそっとドアを開けて入ってきた。
『お姉ちゃん、ちょっとゴム貸してくれない?お気に入りのやつが昨日切れちゃって…』
そういや翠、いつも髪結ってたっけ。
『適当にもってっていいよ』
『ほんと?ありがとう』
翠はいくつかゴムを持つとその場で、さっと髪を結った。
『それよりお姉ちゃん、まだパジャマだけど着替えないと遅刻しちゃうよ?』
『あ、うん。今着替える。』
翠に言われて俺はハッとした。
着替え…
俺、今女なんだよな…
服どうなってるんだろ…
俺は恐る恐るタンスを開けた。
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