♂第3話♀~知ってるようで未知なる世界~

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なんだかんだで学校に着いたのは遅刻ギリギリだった。 ごまかしとはいえ、謙一を煽らなければ間違いなく遅刻していた。 『御剣、早く教室行かないと遅刻するぞ』 『先行ってていいよ』 わかってはいるけど、学校も俺が元いた世界とは違う生活しなきゃならないからなぁ。。 不安で足取りが重くなる。 俺は謙一より一足遅れて教室に向かった。 転校生みたいな気分だ。 怖くてドアを開けられない… でもここまできて逃げるわけにはいかない! 俺は重く感じたドアを思いきって開けた バシーン!! ………… 思いきりすぎた 勢い余ったドアは物凄い音と共に開いた。 何事かと一斉に集まる視線。 うぅ、なるべくひっそり学校生活する予定がいきなり大注目かよ。 とりあえずやってしまったのは仕方ない この雰囲気をどうにかしなければ。 『みんな、おはよー。遅刻かと思って焦っちゃって』 ドッと笑いが溢れる 『何やってんだよ、御剣』 『もっと早く起きろ』 みんなから口々にからかわれる 俺は愛想笑いをしつつ、自分の席についた とりあえず何とかなった。 ホッと一安心すると、隣の席の美紗が話しかけてきた。 美紗は俺が男だった世界でも隣の席で、同じ弓道部に所属している。 まぁ、一言でいえばちょっと男勝りの活発な女の子だ。 『おっはよー、碧。珍しいじゃん、遅刻スレスレに登校なんて』 『はは、ちょっと色々あってね』 まぁ、ちょっと所じゃなく色々あったわけだが。 『そういえば一時限目の数学、追試ありの小テストらしいけど勉強した?』 『いや、全然。』 そういや数学の松山がそんなことを言ってた気がする 『碧は頭いいから、どーせ追試なしの一発パスでしょ?』 『そんなことないよ。ホントに勉強してないから私もやばいかも』 『ホントに~?そんなこといって一人だけいい点数取らないでよ~?』 俺は苦笑いしながら美紗の問いかけに頷いた。 やばいのは勉強じゃなくて今の俺の現状だけどな。
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