4200人が本棚に入れています
本棚に追加
19:14 学園総合軍事研究所第1実験室観測所
「い…五十嵐博士!」
計器を監視していた研究員が悲鳴のような声をあげた。
「どうした!?」
「A-52増幅回路、UX-335集積回路でショート、区分Cnがブラックアウトしました!」
「なんだって!? 一番重要な回路区間じゃないか!」
博士はモニターにかけ寄り、顔を真っ青にさせた。
銃身を映していたモニターの、確かにそこだけが真っ赤に明滅していた。
「まずい。実験を中止し――」
19:14 学園総合軍事研究所第1実験室
『カウントダウン開始。10…9…8…』
逸美の周りには高電圧下によるプラズマ放電が起こり、密室なのに強風が吹き荒れていた。
「やけに今回は出力が高いわね」
しかし当の逸美は迫りくる危機に気付いた様子もない。
そのため、なんの迷いもなく、
『5…4…3…2…1…』
『実験を中止し――』
『ゼロ』
その引き金をひいた。
最初のコメントを投稿しよう!