男の娘って言葉を思いついた人って偉大だね

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19:13 自宅近くの土手 帰宅途中の樹は、ぶつぶつと呟きをもらしながら川原の土手を歩いていた。 周りに歩いている人は無く、街灯も無いので樹の周りは真っ暗だったが、本人は気にした様子も無い。 「明日は…まず生活費を下ろして…」 ものすごく所帯じみた独り言だった。 19:13 学園総合軍事研究所第1実験室 『連絡、実験準備全過程終了。警告、実験要員以外の人間は全て退避せよ。実験開始まで5分』 「さてと…」 逸美はもう一度肩にかけた『やたらと大きくゴツゴツして銃身の回りにピンポン玉のような光球がいくつもくるくる回っているもの』…平たく言えば光学兵器を担ぎ直した。 事前実験は何回もやっているので安全性は保障されていると聞くが、それでもいざとなったら緊張する。 『準備は良いか?』 ヘッドセットから初老の男性らしき声がする。 「おーけーお爺ちゃん。いつでもいけるよ」 『よし、頼んだぞ』 『連絡、全研究員は各自持ち場に着き、記録を開始せよ。実験開始まで1分30秒』 「おしっ、いっちょぶちかましますか」 逸美はメインブースターの出力を最大まで上げた。
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