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「おはよーさん。調子はどうや?」
横を見る。そこには、金髪でピアスをした一見不良とも言える風貌の男が無駄に笑顔を輝かせながら突っ立っていた。
おい、眩しいぞ。そんなに太陽と張り合いたいなら宇宙に行ってくれ! 銀河系はお前を待っていることだろう、いずれは水金地火木土天海冥の冥王星辺りになるかもしれないし。
あ、今は冥王星はないんだっけ、まあどうでもいいが。
「なんや、無視か?親友に朝の挨拶もなしに無視かいな?この野郎、佐々木流空中飛び膝蹴り食らわすぞ!」
黙っていればそこそこイケてるのに、何でそんな自ら馬鹿さ加減を露呈するような事を言うんだろうなぁこいつは。
「空中で飛べるかばーか」
無視も可哀想なので、軽く罵倒してやった。無視と罵倒、どちらが傷付くのかは本人にしかわからない。
果たして、どっちなのだろうか。
「せやなぁ、俺もずっと不思議に思ってたんや」
そして豪快に笑う馬鹿。どうやら表情から見るに、無視される方が傷付くようである。
実験結果が一つでたところで、また新たな足音がこちらに近付いてきていることに気付く。タッタッタ、と妙に規則的な足音がすぐ後ろでなり終えた。
「やーはーっ!調子はどうですか?」
背中にサイの突進を受けたかのような衝撃が走り思わず体勢を崩す。あ、一応言っとくが勿論受けたことないから。
体勢を立て直しながら衝撃を受けた方に振り向く。
「ふっふっふ」
そこには茶髪でロングないかにも女子高生と言うような奴が、腰に手を当て不敵な笑みをしながら仁王立ちしていた。何なんだお前、笑うのか睨むのかどっちかにしてくれないか?見ているこっちまでわけわかんなくなるだろう。
「何ですかその目はーっ!?やんのかぁちきしょーっ」
はぁ、わかったから勘弁してくれ。もう俺の体力はミジンコ並みだぞ?ミジンコいじめて楽しいか?
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