第一章

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「本当に大丈夫か?」 「うわっ、何だ!?」  耳元で急に囁かれたので思わず飛び退く。誰だ一体、気持ち悪い。 「よっ!」  声がした方に振り向く。……やけに格好いい男子生徒が立っていた。整った顔立ちに170超あるであろう身長、それにスラッとした体系。正直嫉妬という感情すら湧かないくらいに格好よかった。  まあそんなことはどうでもいい、それにしても――。  変態だ!  ……おっと間違えた。  大変だ!朝からこいつに会うなんて、今日は厄日に違いない。 「何を苦悩している?む……そうか、俺に会うのがそれほど嬉しいということか。うむ、俺も勿論嬉しいぞ。正直抱き付きたいくらいだ」  あぁ、気持ち悪い。先程の間違えは、さほど間違えではなかったようだ。 「変態」 「ふ、褒めるな」 「褒めてない」  はぁ……こんなやり取りが楽しいと思えてしまう俺は末期だな。 「そうか、お前……」  何だ黒川。あまり喋るな気持ち悪いから。そしてお前らもこっち見るな。何だ三人揃って。 「嬉しいのだな」 「嬉しいんだね」 「嬉しいんやな」 「へっ!?」  思わず気の抜けた声がこぼれる。何で見事に三人揃うんだ!? つーか何でわかるお前ら! 「図星だろう?」 「くっ……」  何故かかなり負けた気がした。
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