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「本当に大丈夫か?」
「うわっ、何だ!?」
耳元で急に囁かれたので思わず飛び退く。誰だ一体、気持ち悪い。
「よっ!」
声がした方に振り向く。……やけに格好いい男子生徒が立っていた。整った顔立ちに170超あるであろう身長、それにスラッとした体系。正直嫉妬という感情すら湧かないくらいに格好よかった。
まあそんなことはどうでもいい、それにしても――。
変態だ!
……おっと間違えた。
大変だ!朝からこいつに会うなんて、今日は厄日に違いない。
「何を苦悩している?む……そうか、俺に会うのがそれほど嬉しいということか。うむ、俺も勿論嬉しいぞ。正直抱き付きたいくらいだ」
あぁ、気持ち悪い。先程の間違えは、さほど間違えではなかったようだ。
「変態」
「ふ、褒めるな」
「褒めてない」
はぁ……こんなやり取りが楽しいと思えてしまう俺は末期だな。
「そうか、お前……」
何だ黒川。あまり喋るな気持ち悪いから。そしてお前らもこっち見るな。何だ三人揃って。
「嬉しいのだな」
「嬉しいんだね」
「嬉しいんやな」
「へっ!?」
思わず気の抜けた声がこぼれる。何で見事に三人揃うんだ!? つーか何でわかるお前ら!
「図星だろう?」
「くっ……」
何故かかなり負けた気がした。
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