第一章

6/18
前へ
/18ページ
次へ
「べ、別に嬉しくなんかねーよ」  やはりどうしても素直になれない自分がここにいた。  我ながら筋がね入りのあまのじゃくぶりだ。きもい。 「柴崎よ、何故素直にならない。お前さえよければ付き合って……いやん、皆まで言わせないで」  絶妙に顔を赤らめながら、そんな事を言う黒川。  思わず吐き気がした。きもい。 「あり?私が知らないうちに、もうそんなとこまで進展してたんですか?」 「そうらしいなぁ。えー……どこやったっけか?同性愛者が結婚できんのは」  俺は一体どこでミスを起こした?何故黒川ルートに突入しているんだ。  もう、死にたい……。 「ふむ、彩ルートの方がよかったか?」  黒川あぁああぁああぁぁああ!  貴様は読心術でも会得してるのか!? 「ふっ、まさか」  あれ、おかしいぞ。何故今反応したのかなこいつは。  え、てかマジで!? 「おい、早くしないと遅刻だぞ。初日から遅刻は流石に嫌だろう?」  これが果たして故意なのか、不意なのか。俺にはわからん……。  うむ、一度良く調べてみることにしよう。 「あ、思い出した!ロンドンや!……多分」  とりあえずお前は流れに乗ろうな。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加