第一章

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 有害トリオと戯れていると、いつのまにか校門に到着していた。 「おはようさん!」  教師に挟まれながら割と大きめの校門を通り抜ける過程、馬鹿が見知ら新入生に向かって無駄に明るく挨拶している。 「今日から高校生やな……。高1……なんか響きがいいな。どう思う?」  佐々木が白い歯を見せながらそんなことを言う。  俺に聞いてんのか?だるいから無視だ。決定、馬鹿は無視に限る。 「どうしたと言うのだ?さっきからノリが悪いぞ?」 「あれだな、高校にもなって俺達と一緒だというのが憂鬱なのだな?」 「それともなんだ、具合が悪いとでも言うのか?」  言わずもがな、もちろん前者だ。 「ふむ。悩みがあるなら聞いてやらんこともないぞ?」 「遠慮しておく」 「そうか、残念だ。それより俺達はどうやら同じクラスらしい。嬉しいだろう?」  おいおいマジかよ。ただでさえ鬱陶しいと言うのに同じクラスだなんて。 「あっ、あたしらみんな一緒じゃん!やったね!」 「おい、マジか!?馬鹿が集結や!」  有り得ない。  クラスを決める際、教師は中学校での生活態度や対人関係は考慮しないのか? それとも馬鹿は全員同じクラスにしてまとめやすくするという作戦か?  どちらにせよ、教師達の思考は理解できなかった。何がしたいんだろう。
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