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「で、HRまであと何分や?」
「あと5分くらい?」
「そうか。担任どういう奴やろな?」
馬鹿二人で会話してればいいものを、何故か無駄に佐々木が俺に振ってくる。仕方ないから応えてやる。
「知るか」
しょぼんとなる佐々木を差し置いて、彩が続ける。
「てかさ、今更なんだけど。何で黒助はここの高校入ったの?」
「頭いいはずだよね?」
本当に今更ながらそんなことを尋ねる。だが確かに何故だろう。
あ、ちなみに黒助は彩が黒川に適当に付けたニックネームだ。
「まあな」
多少は謙遜しようぜ、とか思いつつそこで俺は聞いてみた。
「じゃあ何故こんな学校にいるんだ?」
「何故か、だと?……ふっ、無粋だぞ」
何が。
「お前がいるからに決まってるではないか」
真顔で言った黒川に対し、心底本気で真剣に気持ち悪いと思ったので無視することにしといた。
「ねぇ柴崎くぅーん。無視するのぉー?」
俺の嫌悪感を感じ取れたのか取れていないのかは定かではないが、これまた相当気持ち悪い発言なのでどうしようかと模索していると。
――ガラガラガラッ
教室の前の扉が開き教師が入ってきた。
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