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「おはようございます。あ、こんにちはですか?」
どうでもいい。
「な、なんで居るの?」
尋ねると少女は、首を傾げた。いちいち可愛いらしい。
「すみません。何を言っているのかわかりかねます」
「いや、なんで私の家を知っているのよ」
再び、今度は逆方向へ首を倒す。
「調べただけですが……」
ロミの表情からは、何を当たり前のことを聞いているのか、という感情が読み取れた。
「どうやって?」
当然の疑問をぶつける。
「個人情報管理システムで検索しただけですが」
へえ、そんな便利なシステムがあるのか。ニュースでそういった情報が流出したという事件を耳にするけど、セキュリティは大丈夫なのかな。
じゃなくて!
「なんでそんなものがあるのよ!」
「仕事をする上で、要となるものですから」
「納得できるわけないでしょ! 可愛いらしい仕種でごまかせると思わないでね」
「はあ……すみません。あ、いえ千切さん!」
「な、なによ」
いきなりの剣幕にちょっとたじろぐ。小学生に気圧される高校生。
情けない。
落ち込んでいる私に構うことなく、少女は手を自身の胸にあてた。
「可愛いらしいじゃありません。私は可愛いんです!」
「…………え?」
思わず聞き返してしまった。
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