Promise 1

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『約束取立人 ロミ』 そう書かれた名刺を、半ば呆然と見ていた。 あぁ、混乱するとはこういう状態を指すのだと実感――いや痛感した。 名刺には写真が印刷されていた。その方が相手に覚えてもらえるからだろう。 私は即刻忘れたいけど。 と、そんなことは一先ず置いておいて 「さっさと降りてくれない? 道のど真ん中で寝る習慣なんてないんだから!」 グルッと横に回転し、上に乗っている――重さからして――子供を振り落とす。 ゴン! と小気味よい音と同時に身体が軽くなる。 「あいたた……」 ぶつけたらしい後頭部を抱えながら涙目で悶えている。 女の子だ。 白のワンピースに赤いバッグを肩に掛けている。見たところ10歳ぐらいだろう。 ようやく痛みが引いたのか、すくっと立ち上がり咳ばらいを一つした。 「いきなり振り落としたことに関しては、後で詰問するとして……。改めてまして、約束取立人のロミと申します」 顔、というか外見にそぐわない言葉使いに頭の中の警鐘が鳴り響く。 これはヤバイ。絶対面倒なことになる。 適当に話をして、帰ろう。家まで送り届けるという選択肢はなかった。 それほどに、この子から発せられた言葉には淀みがなく不気味だった。
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