Promise 1

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「じゃあ、夕陽に向かって走るとか?」 右に倒していた首を反対へ傾げる。 くそう、可愛いな。 「そんな追いつけない目標なんて目指したくないわ」 「……今まで受け継がれてきた青春ドラマを全否定ですか」 「いや、最近だとギャグマンガくらいしか出てこないフレーズじゃないかしら」 「今度は私の存在をギャグにしましたね!」 ああ、もう! キリがない。 「……ちょっと落ち着きましょう」 「私はずっと落ち着いていました」 ……うん。我慢は大切よね。 「状況を整理しましょう。私は、学校からの帰りで、近道であるこの道を歩いていた」 「そこから整理しますか」 呆れた顔でため息をつかれたが、無視する。 「この道は、裏道なので周りには高い建物はない。ここまでは大丈夫?」 「私はあなたの頭が心配です」 「……あなた、一言居士って言われない?」 「いいえ。百言居士とは言われます」 なるほど納得。 じゃなくて! 「もう一回聞くけど、あなたどこから“落ちてきた”の? それも私の背中目掛けて」 すると少女は、得心が言ったように何度も頷いた。 「なるほど、それが聞きたかったのですか。ならば答えは簡単です」 少女は、天使のような笑みを浮かべて言った。 「地獄から落ちて来ました!」
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