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寝起きは最悪だった。折角の休みだというのに起こされた。
さっきからインターホンが鳴っている。両親はいない。
なんでも日光に紅葉を見に行くとか。夫婦仲が良好でなによりだ。
部屋に掛かっている時計に目を向ける。
「まだ10時じゃん。誰よ、こんな早くから……」
フラつきながらベッドから降りると、手早く着替える。
さすがにパジャマは恥ずかしい。
手櫛で髪を整える。
次は顔を洗わなきゃ。
私が準備している間も一定の間隔でチャイムは鳴り続けていた。
10分後、ドアを開けた私は立ち尽くした。
そこには少女がいた。黒く柔らかな髪、少し吊り上がった目、白いワンピースに赤いバッグ。
自称地獄出身のロミがそこにいた。
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