クエルクス

かすかな光

他に人はいないのか？

目を懲らすと、ぼんやりと遠くに複数の人影らしきものが目に入った。

何故こんな場所にこんなものを持って、立っているのだろう。
他の人に声をかけてみようか、と複数の人影がいる方に向かった。
近づいていると、思いのほか多くの人がいた。
壁にもたれ天井を見つめている者。
床に燭台を置いてその場に座り込んみ、ぼんやり炎を見つめている者。
ろうそくの明かりであちこちを周囲を照らし回っている者。

ざっと見渡しただけでも
周囲には２０名近くに人が点在している。
皆、一様に
「何故、自分は　こんなところにいるのだろう？」
と首を傾げているのだった。

どうして、自分はこんな場所にいるのか？
自分はどこから来たのか？
自分の名前すら、思い出すことができない。

思い出そうとしても、集中力がぷつん、と切れてしまうのだった。