フレイアーナの章~終王とある騎士の物語~①

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アルディニアス かつてそこは全ての繁栄を約束された世界。 許される永遠。 神々の力に守られた腐せぬ世界。 人々は信じられていた。 例え何が起ころうとも大丈夫なのだと、滅びる事などないと。 しかし、無情にもそれは一瞬で崩れ去り、世界は混沌へと変貌していった。 魑魅魍魎は跋扈し、大地はあれ、人々は嘆き悲しんだ。 そんな中、1人の者が立ち上がった。 その名を【ヴォルケイフ】という。 その者は生まれながらに焔を操る術を知り、武芸に富んだ若者であった。 ヴォルケイフは次々と地に巣くう妖魔を倒し、人々に希望を与えた。 すると、彼の下に心ある者達が集い始めた。 1人は彼と同じく生まれながらに風を操る術を持つ者。 またある者は、傷付いた人を治したり、水を生み出し乾き切った大地に潤いを与える者。 またある者は、大地に新たな命を生み出す者。 様々な力を持つ者達は、共に世界を救うために旅を始めた。 それは永く果てしない旅だった。 しかし、誰一人としてその旅から逃げ出すことはなかった。 そして、彼らは幾星霜の月日をかけながらもついに平和を取り戻したのだった。 その後、彼らは別々に人々を集め国を開いた。 今から話すのはその内の一つ、フレイアーナ王国の話。 【アルディニアス黎明の碑文より】
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