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「――――"ゲーム"は私の勝ちですね。」
セバスチャンの燕尾服は血まみれだった。
「ザスクール様。」
セバスチャンは口元の"返り血"を拭いた。
「流石の貴方でも悪魔には勝てないようですね。」
足元に転がるザスクールを足蹴にし、にっこりと笑う。
「っぐ…」
ザスクールは震える血まみれの手でセバスチャンの足を掴む。
瞬間、セバスチャンは足に力を込めた。
パンとザスクールの頭が弾け、またもや返り血がセバスチャンに降り注ぐ。
「全く往生際の悪い…。
汚い手で私の服を触らないで頂きたい、お屋敷からの貴重な燕尾服なのですから。」
口元に流れてきた血をぺろりと舐め、セバスチャンは顔をしかめる。
「私には理解しかねますね、この味が絶品というのは。」
セバスチャンは窓際に立ち、振り返ってお辞儀した。
「失礼、主人が待っておりますので。」
バサッという音と共にセバスチャンは消えた。
血に濡れた足跡を残して。
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