プロローグ

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「もう時間だな……、ユニフォーム、着替えてくる」 共に練習していた男達を残し、バスケットボールが床を跳ねるダムダムとした音が響く中。 そいつは更衣室へと向かった。 季節は秋、もう外は十分に涼しいと言えど、体育館は別である。 練習をする生徒達は皆同様に額、首筋、背中に汗を滲ませ、ユニフォームとTシャツのみという薄着で練習をしている次第だ。 「あっちぃ~~!!」 そいつはユニフォームの腹辺りを惜しげもなくバタバタさせた。 その度にチラチラと見える腹は細く、ほんのりと筋肉が付いている。 そうしていると遠くから黄色い声が上がるのに気付いたそいつは、ぶっちょう面でユニフォームを放した。
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