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「おまえらも大変だな!この暑いのにマネージャーなんてやらされて」
「本当だよ。」
「麻紀子、本音出てる出てる。」
麻紀子の毒に志帆が必死でブレーキをかけると理香は横でガハハハと豪快に笑っていた。
「お前、ちっちゃいのになんでバスケ部なんかなー」
背の高い理香が松田の頭に手をポンッと乗せながら言った。
「うるせーや。」
と、手を払いながら子猿のように戯れる2人を麻紀子が今にも悟りを開きそうな顔をして見ていたので、志帆は慌てて話題を変えた。
「ま…松田君!!冷却スプレーだったよね?」
「それだけハシャげりゃ必要ないと思うけど?」
「…………」
(や…やばい!!麻紀子の真顔の毒はそろそろ限界だ!!)
「で…でも一応ね?」
「おう頼むわ!!今日暑くてさー!!」
「……待って。暑いからスプレー使うの?」
「おう!!体にシューッてかけて冷をね!!」
「………………」
麻紀子の顔がどんどん真っ黒になっていくのを志帆を顔を引きつらせながら必死で止めようとしていた。
「あ、あれ?スプレー、バックの中に入ってないよ?」
「えー?ウソー?」
(麻紀子が見てる…見てるよ!!)
志帆は散乱しているジャージや制服を必死にかき分けて探した。
「どっか置きっぱかも。」
松田の無邪気な笑顔が麻紀子の怒りを煽っているのを志帆は感じていた。
「え~!?そんな…キャッ!!」
スプレーを探していた志帆は落ちていたマンガにつまずいて転んでしまった。
―これがまずかった。
(………くる!!)
麻紀子が大きく息を吸った。
次の瞬間…
「全員集合じゃボケー!!!!!!!」
麻希子の怒声が響き渡った。
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