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噂どうり、板と札で密閉された部屋。
そこに俺たちはペアで忍び込んで1時間過ごすと言う簡単なゲームのはずだった。
―――“アイツ”が出てくるまでは。
ここはド田舎に建てられているため、もちろんセキュリティ等作動するはずもなく、管理人も定時刻で帰ってしまう。
そんな部屋に忍び込むのはワケはなかった。
―――――
エミリ『嫌……嫌嫌イヤ!!』
私は悲鳴を上げた。
宏樹『手の込んだ嫌がらせだな、先輩だろ』
突然テレビが付いたり、ラップ音が響いたりして完全に神経がまいっていた私は宏樹の胸の中で震えていた。
宏樹『恐くねーから、な?』
感触を楽しむように苦笑し、私の背中をポンポンと 叩いた。
宏樹『もうすぐ1時間だ、香奈達がすぐ交替に来るって』
303は入り口を通り過ぎれば他の部屋とは何も変わらず、風呂、トイレ、流し台と必要な物は揃っていた。
変わっているといえば、金庫が壊れているくらいか。
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