士官学校

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「続きましては、新入生代表挨拶…アベル・ハイウインド。」 艶やかで麗しい金髪を無造作に束ね、強靭な意思をアイスブルーの瞳に宿す。 「我々、新入生一同は、何れこのフレイアの地の守り手となるべく戦いの術を学ぶことを誓います。」 軍人になるとは思えない程に華奢な体つきだが、その名はこの場に居る誰もが知っている。 アベル・ハイウインド。 天空の名を背負う竜騎士にして、先頃行われた格闘大会にて二連覇を成し遂げた青年だ。 今、このフレイアの地においては最強とされている人物。 何より、天空の名を持つ竜騎士として英才教育を受けてきたアベルは、この時点で前年の卒業生を越えているだろう。 短いが、新入生らしく希望に満ちた言葉で挨拶とする。 そして、生徒会長が壇上へと向けて語りかけるかのように声を出した。 「我々はここに宣言する。我々はフレイアの地を愛し、守る為だけに力を奮う。フレイアの民にとって、良き軍人、良き騎士である為に学ばんと!」 その裏では、役目を奪われた校長が寂しげにしゃがみこんでいた。
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