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朱い月に照らされて浮かび上がる不気味な影二つ‥
ヒタヒタと忍び寄る影に気付かずに小走りに急ぐ小さな影一つ‥
『ヒッヒッヒ‥美味そうじゃないか、なぁ姉様!』
『ほんに、今夜は御馳走じゃわいなぁ。』
少女の目の前に突然二人の女が舞い降りました。
女達は妖鬼と言われるもののけでした。
小さな少女は下を向いていました。
『怖いかぁ?』
『無理もないのぅ。』
妖鬼は長い爪で少女の額にかかる髪を掻き分け顔を見ようとしました。
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