華(はな)

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一方、鬱蒼とした森の中 では‥ グエッ‥グエッ‥グエッ‥グエッ 人を喰らう蛙の化け物が巣くう沼池の辺(ほとり) 数千匹はいるのではないかと思われる醜い大合唱の中‥ 暖かな光をまとったような場違いな少女がまるで、散歩でもするように楽しそうに歩いておりました。 少女の歩いた跡には不思議な事に草木が芽吹き美しい花が次々と咲いていきました。 朱い月に照らされた不気味な沼池が、反対にちぐはぐに見える程の咲き乱れかたをしていきました。
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