華(はな)

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少女は周りの化け蛙を一切気にする事なく、あちらこちらに花を咲かせて歩いていました。 『おい‥お前!』 醜い蛙の群れから声が聞こえてきました。 『おい!小娘!』 少女は辺りを見回しましたが、人は見当たりません。 『ここだ!』 蛙の群れをよく見ると 一層大きな蛙がこちらを見ていました。 『お前なんのつもりだ!』 そう怒鳴ると化け蛙が一斉に襲い掛かってきました。 「‥ 」 ブワッと花吹雪が舞って一瞬視界が見えなくなったと思ったら、数千いた化け蛙が全て灰となって消えていました。 少女は背中に神刀を戻しながら言いました。 「お前だと!無礼者がっ‥。」 少女の首筋には華の文字が浮かんでいました。
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