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十二月三十一日、大晦日。
その日の屯所は、慌ただしく人が駆け回っていた。
掃除に買い出しなどなど…そういう所は未来も過去も大差ないなと思う。
私は掃除の方を手伝っていて、それが済んだら年越蕎麦を作る手伝いをすることになっていた。
屯所は埃だらけで、なかなか掃除しがいがある。
私は斎藤さんと一緒に、台所の方を片付けていた。
「斎藤さん、これって奥に仕舞っても大丈夫ですか?」
「あぁ、片付けるならこれも一緒に片付けてくれ。おそらく使わないだろう」
「はい、分かりました」
分からないことは斎藤さんに尋ね、指示に従う。
斎藤さんは比較的に口数が少ない人だけど、話かけたらちゃんと返答をくれる人だ。
だから私も、気楽に掃除に専念出来る。
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