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「えーっと…」
『…これとこれと…持てるかな?』
斎藤さんに頼まれた大きな食器と私が片していいか尋ねた食器を重ねて持ち上げようとした。
「よいしょ…っと!」
だけど、軽そうに思われた食器達は意外と重かった。
想定外のことに、私は大きくふらついた。
「…わ…!」
バランスをとれずに、私は地面に倒れ込むことを覚悟して固く目を閉じた。
割れ物を持っている私は、最悪の事態を一瞬に思い描くことが出来る。
だけど、私と地面が衝突することはなかった。
温かいものが私を包み込むように抱いている。
恐る恐る目を開くと、そこには平然とした斎藤さんの顔がすぐ間近にあった。
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