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「でも、せっかくのお正月ですから、もう考えるのは止めにします」
「そうだな。考えたって仕方ねぇんだ。お節でも食って忘れちまえ」
「お節は食べますけど…」
もっと土方さんと一緒にいたい。
もっと彼のことを知りたい。
だから、私は彼を初詣に誘うことにする。
「あ、そうだ!お参りしに行きましょうよ。初詣!」
「今…か?」
「はい!」
「……まぁ、同伴者は必要だな」
土方さんは大きな溜息をついた。
「なら、着物に着替えてきな。準備が出来次第行くぞ」
「はい!」
こんなにあっさり承諾してくれたのは今日がお正月だからかな?
何はともあれ、土方さんとのお出かけは嬉しい。
私は自室へ戻ると、以前もらった桜の着物に着替えた。
最初は着付けても汚かったけど、今ではピシッと決められる。
これも進歩だよね。
髪も結っておこうかな。
簡単に、でも完璧に準備を済ますと、私は土方さんの元へ向かった。
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