*12 年越し

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「人、いっぱいですね」 「正月だからな」 「土方さんってあまり人の賑わうところ、好まなさそうですよね?」 「……分かってるなら外に出させるんじゃねぇよ」 「あはは、でも私は土方さんと初詣に来たかったんですもん」 「じゃあ、さっさと済ませて帰るぞ」 「はい!」 人が空いてきた時を見計らい、私たちは賽銭箱の前にやってきた。 前にお小遣いとして貰ったお金を賽銭箱に投げ入れる。 ――チャリン… そして私は静かに手を合わせた。 お願いすることは沢山あるけど、まず願うのは。 『……どうか、未来に帰れますように。……それと、土方さんと……もっと親しくなれますように』 目を閉じて、黙々と心の中で願いを唱える。
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