*12 年越し

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「まぁ、時間はありますから。頑張ってくださいね、土方さん!」 「……総司、お前変なもんでも食ったか?言ってることの意味分からないんだが」 「お節しか食べてませんよ~…」 しつれいだなぁ~土方さんは、と沖田は頬を膨らませた。 「あ、あの…」 今さっき台所へ向かった望が、戻ってきた。 「どうした?」 「……お餅が…ないんです」 「………」 申し訳なさそうに俯いていると、沖田さんが「あ!」と声を上げる。 「そういえば、近藤さんと永倉さん達が競ってましたよ?餅食い競争的なことを」 「……総司、今そいつらはどこにいる?」 「確か、広間にいた気がしますけど」 土方さんは歩き出した。 わなわなと震え、明らかにあの背中は怒っている。
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