*12 年越し

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「ふふ、土方さんってば可愛いなぁ。去年もあの人たちにお餅を食い尽され、怒ってましたっけ」 「え、去年もですか?」 「えぇ、試衛館にいた頃のことです。いやぁ、懐かしいなぁ」 「そうなんですか。何だか目に浮かぶ光景ですね」 「ですよね。来年も想像できちゃいますよ」 私たちは苦笑した。 昨日聞いた除夜の鐘のように、正月の屯所に怒声と悲鳴が響き渡った。 賑やかで暖かいこの場所にずっといられたらいいのに。 そんな夢のような生活。 長くは続けられないことを、私は知っている。 でも、今この時はまだ続いてるんだ。 だから楽しまなきゃね! あけましておめでとうございます! .
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