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「森宮君……ちょっといいかい?」
襖の向こうから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「は、はい!どうぞ!!」
いきなりの訪問に、声がひっくり返ってしまう。
私の了承の言葉で、襖はゆっくり開かれた。
「お邪魔するよ」
「いえ、お邪魔だなんて」
訪問者は山南さんだった。
こんな夜更けに一体何の用だろう。
「どうしたんですか?……初めてですよね、山南さんが私の部屋に来てくれるのって」
「はは、そうだね。夜更けに尋ねるのは失礼かと思ったんだけど、少し……君と話をしたかったんだ」
「……話…ですか?」
「そうだよ、どちらかというと……相談に近いのかもしれないけどね」
「……私なんかが、相談相手になれますでしょうか?」
もっと他の人もいるし、近藤さんや土方さんに相談した方がいいと思うんだけどな。
そう言う私に、山南さんは静かに答えた。
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