*13 けじめ

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「『私なんか』と、自分をそういう風に言わないで下さい。私は貴方と話したいんです」 ニコッと、山南さんは優しく笑む。 やっぱり、山南さんはとても大人で、優しい人だ。 そう言ってもらえると、嬉しいよ。 「……貴方に…教えてもらいたいことがあるんです」 「……はい」 山南さんが真剣な顔つきになったから、私も真剣に話を聞こうと彼の声に耳を傾けた。 山南さんは何かを言おうと口を開いたが、言葉を奏でることなく口を閉ざしてしまう。 だけど、強く決心したように頷いて、はっきりした口調でこう言った。
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