―変化―

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「あっ!いらっしゃいませ~。」     店に入ってきたのは、あの時の人。 弘クンだった。       「混んでる?」     「暇過ぎるくらいだょ~。」     あの日以来、よく店に顔を出してくれる様になった。      何時しか私達は話すのも当たり前になって、相談もするくらいになった。       大体がふざけた話しで、真面目な話しは、いつも私ばかりで弘クンは自分の話しをしない。 私が落ち込んでる時やネガティブになってる時、いつも黙って私の話しを聞いてくれて、前向きな方向に導いてくれる。       でも、私は気付いてる。  そんな弘クンだけど、ふと寂しそうな顔をするのを………。       “いつも笑顔でいる弘クンは、きっとその分辛い事があるんだろうなぁ”って………     弘クンは真面目で男らしい人。 だから弱音なんか吐かなくて、いつも強い自分しか見せない。       私は、仕事の合間を見ては他の従業員に隠れて話しをしにいっていた。     “仲の良いお客さん”    “仲の良い相談相手……?”     この頃は、そう思っていた。 と言うか、自分自身に言い聞かせていたのかもしれない…。
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