…~月~…
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そしてその夜。 チシャ猫がにいと笑ったような細い月を見つめ、男は目を細める。 「さあ行こうか。」 隣には頭二つ分ほど小さなカノコ。 「はい。旦那様。」 にこりと微笑む伴侶である彼女の細い腰を抱き、男は夜の空を飛ぶ。 カノコは男の顔を見上げ、月と星の瞬く夜空を見つめる。 その瞳には微塵の不安も、これから先に起こるであろう惨劇にも何にも動じない自信に満ち溢れていた。
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