朝と夜と…

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夕方、店を閉める準備をしていた時に、ふと さっきの疑問が浮かんだ 『あのさ…』 「ん?どうした」 『うん…俺達って、 昔から三人だったっけ?』 (ガシャン!) 「あっ…ごめん、バケツに躓いちゃった」 「静流…気をつけろよ」 「うん」 『大丈夫?』 「大丈夫、驚かせてごめんね」 少しだけ怖い顔で散らばった薔薇を拾う静流 「星羅、何故そんな事を?」 那智の顔も何となく怖い 『深い意味はないんだ…だけど何となくもう一人居たような気がしただけ』 「それって那智の友達とかじゃない?」 静流が薔薇をバケツに 戻しながら言う 「多分そうかもな」 『友達?』 「ああ、よく遊びに来てたから」 『う~ん…』 そうじゃないんだよね 何だろう 「余り考えるとハゲるぞ!」 『なっ、ひどっ!』 「ほら、早く片付けて 帰ろう…お腹がグウグウなってるし」 「そうだね、今夜は鍋にしよう」 『鍋なら胡蝶も来ればいいのにな…』 「星羅…」 『でも、連絡先知らないし…明日聞いてみようかな』 「そうだな…明日も逢う約束を?」 『うん、ホントはもう会わないって言われたんだけど、俺が泣いて引き止めちゃった』 「そっか…」 『うん…でも、明日は怒られちゃうね』 「大丈夫だよ」 『でも、怒ってくれるって事は、それだけ心配してくれてるんだもん… そうでしょ?』 「その通りだよ」 『ふふっ』 早く明日にならないかな 明日こそ、連絡先を聞いちゃおっと そうすれば、一緒に ご飯が食べられるかも しれないもんね 一緒にご飯… あれ? 俺、誰かの為に料理を 作っていたような… それも、気のせいだよね だって、料理はほとんど静流が作ってくれてるし、俺もたまに手伝うけど、あくまでも手伝うだけだし なんか最近、俺おかしいかも…
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