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傘をさしながら花畑に
向かう
雨だけど……胡蝶は居てくれるかな?
『あっ…』
やっぱり居てくれたんだ
でも、何となく話かけにくいな
黒い傘をさして
胡蝶は立っていた
どうしよう…
悩んでいたら、胡蝶から
声をかけてくれた
「星羅」
『あっ…おはよ』
「おはよう」
『あの…昨日はごめんね』
「いいよ…俺も悪いんだから」
少し俯きながら胡蝶に
言った
『俺…このままでいいよ』
「えっ?」
『本当は恋人だって言って欲しいけど……胡蝶にも何か理由があるなら、俺はこのままでもいい…』
「星羅…」
『……俺を愛してくれてるよね?』
「ああ」
『だったらそれでいい』
傘の距離がもどかしい
『その言葉を信じるよ…俺も胡蝶を愛してるから』
少し照れながら胡蝶を
見つめた
「星羅…」
腕を引き寄せられ、
抱きしめられた
『あっ…濡れちゃうよ?』
「いいよ」
赤い傘がフワッと
地面に落ちる
『胡蝶…』
やっぱり温かい
そしてすごく安心出来る
どうしてかな…
抱きしめられると懐かしさで胸が締め付けられて、泣きそうになるのは、
何でだろう……
懐かしいだなんで
俺、おかしいよね…
だって、胡蝶とは最近
知り合ったばかりなんだから…
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