2271人が本棚に入れています
本棚に追加
星羅が眠った後、
静流と庭に出て、二人で話をした
庭に出たのは念のため
今はまだ、星羅に気付かれてはいけないような
気がして…
降るような星空の下、
しばらく空を見つめていた
先に口を開いたのは静流
「本当にこんな事があるのかな…」
やはり静流も戸惑っていた
それは俺も同じ
「俺は今まで奇跡とか
信じないようにしてきたんだけどね」
「うん」
「だけど、こうして目の前で胡蝶を見てしまうと、信じざるをえないような気もするし…」
「那智も見た?」
「ああ…ピアスだろ?」
「うん」
やはり静流も見つけて
いたんだ
「どう見ても、星羅と
同じピアスだったよな」
「うん」
「やっぱり胡蝶本人なのかな」
「那智…俺複雑なんだ」
「ん?」
「もし、本人ならすごく嬉しい…だけど胡蝶は
もう…だから、いいのかなって…」
「俺もだよ」
「だけど、あんなに嬉しそうにしている星羅を
見るとね」
「そこなんだよな~」
何も知らない星羅に
胡蝶を遠ざける理由はない
きっと、遠ざけても
星羅は胡蝶を捜すだろう
「しばらく様子を見るしかないな」
「うん」
本当は喜ばなければいけないはずなのに
何故か素直に喜ぶ事が
出来なかったんだ
最初のコメントを投稿しよう!