嘘と真実と…

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「胡蝶、食事持って来たけど」 いいタイミングで静流がやってきた そっとベットを降りて、 ドアを開ける 「星羅は?」 「大丈夫だ」 「そっか…よかった」 「ありがとう」 「じゃ、行くね」 「ああ」 トレーを受け取り、 テーブルの上に乗せた 「少しでも食べろよ」 『……うん』 話の途中だったので 星羅は不満そうな顔をしていた 「そんな顔しないの」 『だって…』 スプーンでスープをすくい、口元に持っていく 「はい」 『うん』 零さないように 口に運びながら尋ねる 「星羅の得意料理は何?」 『ん~、和食は結構得意』 「いいね~、俺も好き」 『ホント?』 「ホントだよ」 話をしながら、スープを飲ませる 『じゃさ、胡蝶は何の花が好き?』 「花かぁ…ん~」 『紫陽花でしょ?』 「えっ?」 『ごめん、何となく』 「紫陽花も好きだよ」 一瞬、紫陽花と言われて焦る 確かに1番好きな花だから 星羅と生活していた時、 紫陽花の鉢植えがあった まさか……だよな 「星羅は?」 『俺はね~、ラフレシア』 「えっ…」 『匂いだけ嗅いでみたくない?』 「ん~」 『でもホントは月見草』 「えっ?」 『よくわからないけど、最近好きになったんだ…静流が育ててるからかも』 「そっか」 『うん』 「月見草の花言葉知ってる?」 『花言葉?』 「花にはいろいろな花言葉があるだろ?」 『うん』 「もし、プロポーズする為に黄色い薔薇の花束を買いに来たらとめないとね」 『どうして?』 「クスッ」 『あ~、もう!』 「ほら、もう少し食べて」 『うん…ねぇ…』 「ん?」 『俺と胡蝶ってさ』 「うん」 『何となく顔が似てるよね…嬉しいかも』 (ガシャン) 『胡蝶?』 「あっ、ごめん」 思わずスプーンを落としてしまった 何気ない一言に まだこんなにも動揺する俺がいた
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