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「ただいま~」
那智が帰ってきた
俺はどうしたら……
まだ頭の中は混乱したままで、さっき見た事を
那智に尋ねてもいいのかどうか、まだ決められないでいた
「静流?」
「あっ…お帰り」
「ああ」
どうしよう
「那智…」
「ん?」
「胡蝶って…さ」
「ああ」
「どこに住んでるのか
聞いた?」
「あ~、聞き忘れた」
「そっか」
「今度聞いておくよ」
「うん」
きっと、今度尋ねても
また今度って言うつもりだよね?
「どこまで送って来たの?」
「神社あたりかな」
嘘だ…
神社なんか行ってない
「神社って、今花祭りの準備してるよね」
「ああ…そうだな」
どうして…
花祭りなんかないよ
「那智…」
「よし、シャワー浴びて来る」
「うん」
部屋から出て行った後、
涙が零れた
どうして話してくれないんだよ…
俺と那智の関係は
所詮そんなものだったの?
すごく寂しかった
すごく悲しかった
俺は那智に信用されてないんだね
だから話せないんでしょ?
俺はどうすればいい?
このままじゃ、
那智の事……
愛せなくなるよ
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