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静流の様子が何となく
おかしい
昨日も先に寝ちゃったし、朝も先に起きて部屋には居なかった
「う~ん…」
リビングに行くと静流がキッチンで朝食を作っていた
まだ5時だぞ…
「おはよう」
「おはよう」
「早いな」
「そう?いつもこんな時間だけど」
「そっか…俺が遅いだけか」
「かもね」
やっぱり何となくおかしい…てか、刺々しい
薔薇の棘より刺々しい
「静流…何かあった?」
とりあえず尋ねてみる
「別に」
「そっか」
う~ん…
やっぱり背中が怒ってるような…
「胡蝶…」
「ん?」
「来るんでしょ?」
「ああ…そろそろかな」
包丁を持つ手を止めて静流が言った
「じゃ、今日は俺が花畑あたりまで迎えに行くよ」
「えっ?」
「どうしたの?」
「いや…まだ暗いし俺が行くよ」
「暗くても誰もいないよ」
「いや…寒いし風邪ひいたら大変だろ」
静流はまた手を動かしながら言った
「わかった、那智が行ってきて」
「ああ」
焦った…
いきなり何を言い出すのかと思ったら
しかも花畑とか…
「どうしたの?」
「いや…じゃ、行って来る」
「うん」
静流は背中を向けたまま
返事をした
日の出にはまだ早い
うっすらと明けて行く
空を見ながら花畑に向かう
今日も天気が良さそうだ
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