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そっと階段を昇り、星羅の部屋へ行く
やはり田舎の造りだけあるな…
階段がギシギシ音をたてる
だけど、しっかりした
造りだ…
都会の家とは違い、
あたたかい木の温もりがある
リフォームしてあっても、良い所はちゃんと残してある
長年住むには十分過ぎる
造りだな
ドアをそっと開けて、
ベットに近付くと
星羅はまだ眠っていた
「星羅…」
頭を優しく撫でる
『んっ…ヤベッ、今何時………嘘』
驚いた顔が可愛くて、
思わず抱きしめてしまった
「おはよう」
『おはよ…ホントだったんだ』
「約束だしね」
『すごく嬉しいっ!』
今度は星羅から抱き着いてきた
「ちょ、危ない!」
『ホントに胡蝶が来てくれたんだ』
「星羅」
そんなに喜ばれると、
逆に辛いな…
「よし、下に行くぞ」
『うん』
突然、目の前で着替えだす
昔と変わらないな…
『お待たせ』
「うん」
着替え終わった星羅と
二人でリビングに向かった
『おはよっ!』
「やっぱり胡蝶が居るだけでこんなに変わるんだな~」
『やだな…那智ったら』
「おはよう」
『静流、おはよっ!あっ、手伝うよ』
「うん」
久しぶりにキッチンに
立つ星羅を見た
昔はそれが当たり前過ぎて、こうしてゆっくり
見つめる事もなかったな
「どうした?」
「いや…今頃になって、当たり前の毎日が幸せなんだと感じたよ」
「そっか…確かにそうかも知れないな」
今はその当たり前の生活が出来ないから、余計にそう思えてしまうんだろうな…
キッチンから美味しそうな匂いがする
それだけでも幸せだと
感じたんだ
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