偽りと裏切りと…

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お昼過ぎに那智と胡蝶が帰ってきた 「いや~参った」 「ただいま、星羅」 『お帰り、どうしたの?』 「だってさ、胡蝶は俺より花に詳しいんだもんなぁ~」 「那智が知らな過ぎなんだよ」 「まぁな」 『確かに那智はいまだに花の名前を覚えないしね』 「それを言わない!」 『クスッ』 「星羅、カンパニュラの注文入ったよ」 『わかった、確か店にあったはず』 「カンパニュラ?」 『んとね…あっ、これ』 星羅が鉢植えを持ってきた 「ああ、それか」 『そっ、これがカンパニュラ…桔梗科の花』 「可愛い花だな」 『うん、俺も好き』 「てか、名前が長すぎだ」 『そかな?』 「でもこれでひとつ覚えただろ?」 「確かに…」 『あははっ』 三人で話をしている時も、静流は一人で植え替えをしていた やっぱり避けてるよね… 「静流、手伝おうか?」 胡蝶が声をかけた 「じゃ、お願い」 「わかった」 慣れた手つきで植え替えを手伝う胡蝶 『う~ん…』 「どうした?」 『やっぱり胡蝶は素人じゃないよ』 「どうして?」 『何となく…』 「何となくだろ?」 『だってさ…普通、素人ならやり方を聞くじゃない…それなのに静流が何も説明しなくてもちゃんと出来てるし』 「見ながら真似してるんだろ?」 『う~ん…』 見ながら真似してるような手つきじゃないけど… もしかして、胡蝶の仕事は同じ生花関係なのかな? やっぱりまだまだ謎だらけだな…
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