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次の日の日の出前に、
静流と二人で花畑に来ていた
「もうすぐ夜が明ける」
「うん」
静流はそれなりに理解していた
確かに、驚いたのは事実だと言っていたが、
まず最初の言葉は、
「胡蝶が何をしたっていうの?」と言って泣いていた
確かにそれは、俺も同感だ
何故、胡蝶にこんな試練を与えたのか?
だったら生き返らない方が、幸せだったんじゃないのか?なんて、考えてしまう
「あっ…太陽が」
「ああ」
山からゆっくりと太陽が顔を出す
空は薄紫から青へと徐々に変化して行く
太陽の光を浴びながら、
花達も目を覚ます
「おはよう」
「おはよう胡蝶」
胡蝶は少し驚いていた
「二人揃って何かあったのか?」
「いや…今日は仕事が休みだからさ」
「早朝デートだよ」
「それはそれは…仲のよろしい事で」
笑いながら胡蝶は言った
「てか、話がある」
「話?」
「ほら、昨日ホテルのさ…」
「ああ、楽しかったか?」
「まぁな…だけどやっぱり星羅はお前と行きたかったみたいだ」
「そう言われてもな…」
困った顔で俺達を見つめた
「そこでだ!」
「ん?」
「今日、星羅と二人で
ランチに行って来い」
「えっ?」
「そのレストラン、
ランチも始めたんだよ」
「うん」
「だから、今日は二人でランチデートでも楽しんで来い」
「成る程ね」
「胡蝶から誘ってあげて…きっと喜ぶから」
「わかった」
「話はそれだけだ…帰ろう」
「ああ」
胡蝶が突然現れるのにも、慣れて来た
静流はやはり少し驚いていたけどね
「俺達はどこ行こうか?」
「たまには映画でも」
「いいねぇ」
「てか、映画館あるのか?」
「ないから街まで行くしかないな」
「気をつけろよ」
「何を?」
「都会は車が走っているから」
「あのねぇ…」
そんな冗談を言いながら笑う
星羅はまだ夢の中だろう
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