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―私、高校時代、すごく仲のいい友達がいたんだ。その子、慶子っていうんだけど、ずっと一緒にいた。部活も一緒でね。
―ふーん、初めて聞く人だね。
―…慶子はすごくいい子で、私は彼女といられることがすごく嬉しかったの。本当に朝から晩までいたんだ。
―うん。
―でもね、ある日言われたんだ………
ここで、美湖は黙り込んだ。
タイムスリップしたのかな。
―…何て?
―束縛されたくない、って。
美湖は続けて言った。
―だから、それからトラウマなんだ。仲いい人ができても、私ばっかりが一緒にいたがって、相手は自由でいたいって思ってるんじゃないかって。
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