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その日の夜。
私と美湖は部屋の明かりを消し、箱を取り出して、テーブルに並べた。
リボンを解き、相手の薬指にはめる。
すごく厳かな気分。
「ねぇ美湖、私で良かった?」
「何が?」
「指輪をあげる相手。」
「私は、梨良にあげたかった。梨良は一緒にいることと束縛することの違いを教えてくれた。梨良のおかげで私は…慶子を乗り越えられた、ありがとね。」
そう言って美湖は私にキスをしてきた。
そのまま体を重ねた私達は、薬指に指輪をはめたまま眠った。
いつまでも錆びない指輪をはめて。
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