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多分、芙羽以上の人に会えなかったから。
いつまでも芙羽が一番だから。
恋愛に規則なんてない。
一人だけを愛さなくてはならない決まりなどない。
でも…
私は一人しか愛せなかった。
芙羽が来られる日は9時に携帯が3回鳴っていた。
それが合図。
外で彼女と同じ匂いを嗅いだ日。
合図が鳴った。
私は窓を開け、煙草を吸い込む。
苦みを噛み締め、芙羽を待った。
久しぶりにあの匂いの中に浸る。
自分をあの匂いで満たせられる。
好きだと言った香りをいつまでも変えない。
きっと今も変えていない。
いつまでも私が一番なのだ。
もう近くにはいないけど。
彼女は、自ら、帰ってくる。
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